うつ

うつ病に悩まされている人は患者と患者の周辺の人を含めれば相当多いものと言えます。しかし欝病のメカニズムや、鬱病の「うつ」とはどういう意味であるのかまで完璧に把握できている人は少ないのです。
うつ病はどのようなメカニズムで起こっているのか、どのような意味を持っているのかについて解説していきます。

うつ病の原因・症状、「うつ」を知る

うつ病の「うつ」という言葉は、普段から意識しなくても使っている言葉だといえます。そのため意味を知らないままに濫用されているともいえます。

うつ病自体も原因はわかっても仕組みまで把握できていない病気と言えます。では「うつ」とはどういう意味で、どのようにしてうつ病は起こるのでしょうか。

「うつ」という言葉の意味

うつ病の「うつ」は漢字では「鬱」または「欝」と書き、一般には前者の「鬱」を使います。

国語辞書によれば「心の中にわだかまりがあって晴れ晴れとしない有様」という意味があるとされ、一文字で「憂鬱」と同じ意味を持っている言葉と解釈されます。

つまり「うつ」とは何らかの理由で情動の起伏が起こりにくくなった様子であるということです。また、医学的には「欝病」ではなく「うつ病」とひらがな混じりで表記します。

うつ病の仕組み

うつ病などに見られる憂鬱な気持ちは、脳の働きによって生み出されているものです。脳の働きに深く関わっているのがいわゆる「脳内物質」です。脳内物質は時に苦痛を取り去り、幸福感を生み出し、精神のバランスを安定させます。

このように複雑な働きをする脳内物質の中で憂鬱感に関係しているのが「セロトニン」です。セロトニンは消化機能にも関わる物質で、体内で生成される分量の2%が脳内物質として使用されています。セロトニンは精神の安定に効果を発揮し、リラックス状態や睡眠のコントロールに深く関わっています。

うつ病患者の多くはセロトニン不足の兆候が見られ、うつ病の発症にはこのセロトニンが脳内で不充分な状態になることで発生すると考えられています。

セロトニンの過不足の影響

セロトニンは、普段の生活の中で常に生成・分泌されている脳内物質のひとつです。セロトニンはビタミンB6と必須アミノ酸のトリプトファンから合成されて生成されます。セロトニンが過不足なく分泌されていると、精神的に落ち着いた状態になり体内時計も遅れなく働くので快適な睡眠が期待できます。

しかし、セロトニンが不足すると落ち着きが無くなり不眠状態が続きうつ病の症状が現れやすくなってしまいます。

逆にセロトニンが多すぎると、頭痛やめまい・錯乱を引き起こすセロトニン症候群を引き起こしてしまうのです。重度のセロトニン症候群は昏睡など命に関わる事態に発展するので、注意が必要です。

うつ病の起源とは

うつ病は古くから存在する心の病ですが、医学的にうつ病を取り上げたのは古代ギリシアのヒポクラテスであると言われています。

ヒポクラテスが活躍したのは紀元前400年あたりのことなのでうつ病は少なく見積もっても約2500年という歴史があるといえます。

ヒポクラテスは四つの液体から人体が成り立っているという「四体液説」を唱え、うつ病は四体液の一つである黒胆汁による影響を脳が受けたものと考えています。四体液説は現代医学では否定されていますが、黒胆汁は憂鬱と言う意味のメランコリーの語源として現代でも使われています。