子ども/うつ病

最近は病気発症の低年齢化が進んできていると言えます。かつて「成人病」と言われた生活習慣病も成長期の子どもの発症が目立って居るのもその一つです。
うつ病においても発病の低年齢化が見られ、問題視されています。
子どもに起こっているうつ病の実態や原因などについて解説します。

子どもも無縁ではないうつ病の実際を知ろう

全ての病気は「子供の時にしか発症しない病気」「ある程度の年齢にならないと発症しない病気」「大人にも子供にも発症する病気」に分けることが出来ます。そして、うつ病をこの分類に当てはめると「大人にも子供にも発症する病気」に含まれるのです。

何故子供にも発症するのか?

大人の持つ子供のイメージは「純粋無垢で天真爛漫な存在」に集約されると言えます。

元気に野山を駆け回り風邪も引かない元気で強い子、という平均化された子供の理想像を前提にしているからです。

しかし、子供の世界も大人の社会とそう変わらないものであると言えます。周囲との競争や人間関係は大人よりも苛烈と言えますし、悩み事が無いわけではないといえます。つまり、ストレスを原因とする心因性の鬱病が発症する可能性は子供たちにも充分にあるのです。

子供に見られる症状

子供の鬱病では、倦怠感や不眠・食欲不振だけではない症状が見られます。

ちょっとしたことでもイライラする、集中力不足で長時間落ち着いていられない、不登校になるなどが挙げられます。

一見すると学校生活に適応できていないように見えますが、鬱による精神の不安定が行動面に出ていることで起こる症状なのです。

急増の背景

子どものうつ病は、うつ病の歴史が紀元前にまで遡れることを考えれば「最近になって増えた」のではなく、「昔からあったが気付かれなかった」と言うのが現実に即しているでしょう。

なぜなら、「大人が子供に抱くイメージ」と「うつ病への偏見」によって子どものうつ病が覆い隠されていたからです。

鬱病は甘え?

昔からあるうつ病への偏見に「鬱病は甘え」というものがあります。

うつ病という病気は存在していない、あっても健康管理が出来ていないだけ、鬱病を訴える患者は周囲に甘えたがっているのだという考え方です。

この「鬱病=甘え」という考え方は、子どもの鬱病にも適用されます。子どもが親や周囲の大人に甘えるのはごく自然なこと、だから病気ではないというように見做され、「子供には鬱病は発症しない」と考えられていたのだと言えます。

不安定な時期

大人の子供に対して抱いているイメージは「純粋無垢」だけでなく「成長過程ゆえの不安定さ」と言うものがあります。

子供は内面が成熟した大人に比べて感情の波が激しく、精神的に不安定です。急に落ち込んだかと思えば、急に泣いたりはしゃぎ回ったりと掴みどころが無いほどです。

そのため、うつ病の諸症状が精神面の不安定さから来るものと混同されてしまい、適切な治療をしないまま放って置かれることになるのです。

周りの大人に出来ること

子供がうつ病ではないかと思った場合、親や周囲の大人は何をするべきでしょうか。第一には「焦らず見守る」ことが大事です。

子供はどんなに幼くてもプライドを持っています。親や周囲の大人に「この子は病気」というレッテルを貼られたら、プライドが傷つき消極的な性格に育ってしまうこともありうるのです。

倦怠感や食欲不振などのうつ病の症状が2週間程度続くようなら、本人と対話した上で医者の診察を受けさせるようにします。