パニック障害

人間は生命を保護する本能により、不安や恐怖を感じるものです。しかし、不安や恐怖が高まりすぎると日常生活を送ることが困難になってしまいます。極度の不安を引き起こすパニック障害は、社会生活を困難にしてしまう心の病なのです。パニック障害の原因や症状、治療などについて解説します。

強い不安を起こすパニック障害について

山羊座の起源は、ギリシャ神話で牧羊の神パンが魔物テュポーンに遭遇し恐慌状態に陥ったという話に由来します。この話は、極度の恐怖や不安を受けて混乱する「パニック」の語源ともなっています。日常生活の中で突然パニックを起こすパニック障害はどのような原因で起こるのでしょうか。

パニック障害の症状

パニック障害は、突然不安や恐怖を感じることでめまいや動悸などの症状を引き起こす「パニック発作」と、パニック発作に対する強い不安や恐怖が症状として現れます。

パニック発作は、周期的に起こる場合と不定期に起こる場合があり人が多く居る場所に行くことが引き金となって発生します。

パニック発作によって感じる不安や恐怖は大きく、「また発作が起こるのではないか」という「予期不安」や「あの場所に行くとまた発作が起こる」という「広場恐怖」を感じるようになり、精神的にも疲弊してしまうのです。

発病の原因

パニック障害が起こる原因には心理的な不安が原因という心因性などの幾つかの説がありますが、有力なのは脳内物質の分泌異常という説です。

うつ病と同じくセロトニンやノルアドレナリンなどの精神の安定や上昇に関わる物質が不足するために発生していると考えられています。

これらの脳内物質によって維持されている「脳内不安神経機構」の働きが不十分になり、パニック障害を引き起こすものと考えられています。

発病率などについて

パニック障害を発病する人の割合は、100人に1人といわれています。確率にすれば1%ですが、日本の総人口から考えれば120万人はパニック障害を既に発病している、または発病する恐れがあると言うことになります。

パニック障害の発病には、遺伝やストレスの多い環境などと密接な関係があると考えられ、先天的な要因と後天的な要因が絡み合うことで発病すると言われています。

また、パニック障害は芸能人やスポーツ選手が発症していることを公表することが多いため、非常に注目を集めているのも特徴と言えます。

うつ病との関係

パニック障害の症状であるパニック発作は、うつ病の一症状としても起こるものです。

うつ病だけでなくPTSDや強迫性障害などの心因性の病気によってもパニック発作は発生します。

しかし、「うつ病を患ったからパニック障害にもなった」と言うわけではありません。医学的にはパニック発作を主要な症状とする病気がパニック障害であって、パニック発作を伴う病気は別のものとして区別されているのです。

治療について

パニック障害の治療では、抗うつ薬や抗不安薬の投与による薬物療法や精神的な自己修養による精神療法が行なわれます。治療において重要なのは「患者にパニック障害を正しく理解させること」です。

パニック障害の症状である予期不安や広場恐怖は、「なぜパニックが起こるかがわからない」ことが発症に大きく関わっていると言えます。

人間は「自分が知らないもの」「正体がわからないもの」を恐れる本能を持っています。自分の身に起こっていることがパニック障害であることがわからないからこそ発作に恐怖し、不安を掻き立てられているのです。