ストレス障害

ストレスというものは、現在の状況だけでなく過去に体験した出来事からも発生します。ストレスを感じさせる過去の出来事は、心に傷を作るほどの強烈な記憶となっていることがほとんどなのです。過去に負った心の傷が生むストレス障害の症状や原因、種類などについて紹介していきます。

心に残った傷が生み出すストレス障害とは?

誰にでも他人に触れられたくない、思い出したくない過去を一つや二つは持っているものです。そういった過去を何かの拍子で思い出すことは、強いストレスを起こし体調を崩す原因になってしまいます。このような過去の記憶に原因がある「ストレス障害」は大きな健康問題になっていると言えます。

ストレス障害を引き起こす記憶

ストレス障害の多くは、強く印象に残っている記憶によって引き起こされます。事件・事故などの生命に関わる事態に巻き込まれたこと、虐待や暴行・いじめなどの心身を傷つけられた過去などによって作られた心的外傷(トラウマ)が主な原因と言えます。

また、大失敗などのマイナスのイメージが付きまとう記憶も、ストレス障害に繋がる記憶となります。

主なストレス障害

では、ストレス障害に分類される病にはどのようなものがあるのでしょうか。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、トラウマによって発生するストレス障害の代表格です。トラウマを受けた記憶が何かの拍子で甦ったり、夢などで思い出したりすることによって多大なストレスが発生し生活に支障をきたすほどの症状を引き起こします。

日本では20世紀末から連続して起こった歴史的事件に巻き込まれた人がPTSDを訴え、広く認知されるようになりました。

PTSDの症状

PTSDで発生する症状としては、トラウマとなった記憶が現実感を持って甦る「フラッシュバック」によるパニック発作や精神機能の麻痺などがあります。
麻痺する精神機能としては喜怒哀楽の感情や幸福感・関心・将来像などがあり、うつ病に似た様子を見せることがあります。
また、成長期の子どもがPTSDを患うと脳の発達が部分的に阻害される可能性があるという研究も報告されており、周囲の支援が欠かせない心の病であるといえます。

急性ストレス障害

急性ストレス障害は、一過性のPTSDといえる性質を持ったストレス障害です。激しいトラウマを形成する体験を受けた日から4週間以内に発症し、2日〜4週間前後続いたのち鎮静化していきます。

4週間以上続く場合は、心的外傷後ストレス障害を発症したものと見做されます。症状としてはショックによるパニック発作や多動傾向、フラッシュバックによる追体験などがあります。

適応障害

適応障害は、過去のトラウマではなく今現在置かれている状況などの要因によって発生するストレスが原因で起こるストレス障害です。

適応障害の症状としては抑うつ気分や不安、日常生活の適応不全、不眠や摂食障害などの身体的症状があります。場合によってはストレス発散目的の反社会性行動や性格の変化が見られることもあり、周囲の人も困惑する場合があります。

治療法について

ストレス障害の治療は、心理療法が主体となっています。

抑うつ気分や不安感などのうつ状態が現れている場合は、抗うつ薬や抗不安薬の投与による薬物療法を並行して行ないます。

ストレス障害の原因であるトラウマは、患者自身が乗り越えなければ治らないものです。

しかし、患者だけではどうにもならないからこそトラウマになって心に残っているのです。医師やセラピストとのカウンセリングで、トラウマに向き合い克服する手助けをしてもらうことが肝心なのです。